よい薬局ほど、“あの力“に秀でている? 患者さまに選択いただくために

時間を見つけては、薬局に積極的に顔を出すようにしています。
極力現場スタッフと直接のコミュニケーションを取りたいと考えているからです。

私が訪れた時の現場の反応は、たいてい次の3つのいずれかに分かれます。

1つ目は、私の訪問に対して緊張するという反応です。ただし、何回か足を運び、会話を交わしているうちに、向うから話しかけてきてくれます。

2つ目は、存在感を消そうとする反応です。決してあら探しをしに行っている訳ではないのですが、諦めずに足を運び、いつか上手くコミュニケーションを図れる関係を築きたいと思っています。

3つ目が、私が来たのはチャンスとばかりに様々な提案をしてくる反応です。「これをこうしてみたい」「もっとこうした方がいいのではないか」といった具合です。

もちろん、すばらしい提案でも、直ぐに実現することが難しいものもあれば、「あと一歩。おしい!」と思う提案もあります。しかしいずれの提案も、地域性や患者さまの特徴を的確に捉え出てきたものです。新しい提案に出会うたびに、なるほど!と感心させられます。

最近、「3種類の反応」と「薬局の特徴」には因果関係があるのではないかと考えています。例えば、3番目の「様々な提案をしてくる」薬局と良好な成績には関係があるのではないかと予測しています。

私たちがお客として、喫茶店やレストラン、美容室や洋服屋などを選ぶ時に、何を基準にしているのか考えてみました。

店構えはどうか?
お店に入った瞬間の感じはどうか?
スタッフの対応はどうか?
接客はどうか?
お店の雰囲気はどうか?
品揃えやメニューはどうか?
材料の産地は?
清掃は行き届いているか?
どこの会社が運営しているか?

他にも要素はあると思いますが、こうした要素を総合的に判断し、一番ポイントが高そうな店を選択していると思います。

薬局についても、患者さまの頭の中では喫茶店やレストランなどと同様の観点で選択が行われていると思っています。残念ながら薬局だけが特別扱いをされることはないと思います。

調剤薬局を取り巻く環境は、少し前と大きく変わりました。
現在は、ライバル薬局が突然近くに出現したり、ドラッグストアで積極的に処方せんを受け付けたりと、私たちの業界も厳しい競争原理に晒されています。

このように考えると、何もしなければその薬局の魅力は薄れ、いずれは患者さまの選択肢から外れてしまうのは自然の流れなのかもしれません。

これからの薬局は多少の失敗を恐れずチャレンジし、「積極的に差別化に挑戦する」。当たり前のことではありますが、これがとても大切なのではないかと思っています。