人で勝負の中小企業

どこの世界でも同じだと思いますが、私たちは常に競争にさらされています。できればマイペースにいきたいと、誰もが思うのかもしれません。しかし、商売も同じで、お客さまに選択肢が広がれば広がるほど、競争原理が働き、勝ち組、負け組みに再編されていきます。薬局も同じだと思います。調剤薬局が街にあふれ、ジェネリックも出てきた、患者さまはかなりの範囲で選択権を持っているといえます。

そこで少しでも優位に立とうと、各社しのぎを削ることになります。一般的には資本力の差が、生死を決定付けることが多いと思います。ところが調剤薬局の場合は、「人」の要素が大きなウエイトを占めるのではないかと思います。

私たちが扱っているのは、患者さまの命や健康です。日用品を買うのとは訳が違います。きれいで大きく最新設備が整った店を好む方がいらっしゃるのは勿論ですが、病気を抱えた高齢の患者さまが顔なじみの信頼できる薬剤師を求め来局される事実があります。

芸能プロダクションのホリプロは、芸能界の悪しき慣習に流されず、マナー重視の仕事を推進した結果、クライアントから高評価を受けるようになったそうです。今に至るまで、相当の社員教育をおこなったのでしょう。意識を改革するのは容易ではありません。どんな世界でも、やればできることを証明していると思います。

さて、私たちは薬のプロとして、どう患者さまのニーズに応えるかだと思います。この当たり前のことに、真剣に取り組む時が来ていると思います。コミュニケーション講座も大切ですが、はじめはテクニカルを覚えることから始めるとしても、行きつくところは、本人の人間性だと思います。

中小企業が、資本力でも勝てず、人材力でも勝てずでは、まるで勝負になりません。だから当社では、性格が良く、思いやりがあり、相手の質問や気持を汲み取り会話が出来る方を、大切にしています。