あけぼの通信2015.03.23カール教授に学ぶ 薬局のためのフレームワーク塾
患者さまのためにもっとよい薬局となるにはどうすればいいのか?そして「あなたのほっとファーマシー」という私たちが描く理想の薬局像を、どのように実際の行動に落としこんでいけばいいのか?その方法を考える手段として役立つのが、フレームワークです。当社の神馬が代表して、大学教授で経営コンサルタントの平野敦士カールさんに、代表的なフレームワークである「SWOT分析」の使い方を教えてもらいました。
「SWOT分析」でお店の現状を整理「クロスSWOT」でアイデア出し!
生徒 神馬 一仁
1984年生まれ、東邦大学薬学部卒。製薬会社MR時代に首都圏2位の成績を収め、調剤薬局に転職。現在、千葉エリアマネージャーとして活躍中
神馬(以下・神) 私たちは「あなたのほっとファーマシー」という理想像を掲げているのですが、地域ナンバーワンを目指すには具体的に何をすればいいのでしょうか?
カール(以下・カ) それなら「フレームワーク」を活用すると良いですよ。
神 フレームワークとは?
カ アイデアを考えたり整理したりするのに役立つツールです。多様な種類があり、経営コンサルタントはこれらを駆使して戦略などを考えます。
神 何か自分たちでもできるものはありますか?
カ 「SWOT(スウォット)分析」が良いでしょう。これは、自分の会社やお店の現状を整理するツール。正しく現状を認識しないと、的確な対応策が打ち出せません。比較的カンタンにできるので、はじめてフレームワークを使う人にはうってつけです。
神 具体的にはどうすれば良いのですか?
カ 自分の薬局の強みと弱み、機会と脅威を4つのマスに書き出します(※詳しくは下の図表にて)。自分たちの薬局に関する「内部要因」と、社会や経済の動きといった「外部要因」の両方を書き出すのです。たとえば、「強み」は何ですか?
神 「地域の人に親しまれている」「知識が豊富な薬剤師が多い」とかですかね。
カ いいですね! その調子で、弱みや機会、脅威も考えてみてください。すると、自分の薬局がどんな状況に置かれているかが一目瞭然になります。
神 しかし、これだと現状を分析しただけですよね。
カ その通り。対応策を生み出すには「クロスSWOT分析」が必要です。SWOT分析で出した「機会・脅威」と「強み・弱み」をかけあわせて、「この状況だったら次に何をすればよいか」と考えます(※詳しくは下の図)。こうすると、考えやすくなるんです。
神 なるほど。
カ 試しに、「脅威」と「強み」を掛け合わせてみましょうか。たとえば「ライバル薬局が増えた」という脅威があった場合、「地域の人に親しまれている」という強みがあるとしたら、どんな薬局づくりを進めれば脅威をチャンスに変えられるでしょうか。
神 そうですねぇ……。「自分たちらしさを活かして地域で一番の『サービス』を提供する」とか……あり
きたりですよね。
カ それで良いですよ! 重要なのは、平凡でも良いから、たくさんアイデアを出すこと。すると、そのなかにお宝アイデアが潜んでいるものです。
神 そう言われると、肩の力が抜けますね。
カ リラックスしている時ほど、良いアイデアが浮かぶものです。皆さんもぜひやってみてください!
■オススメ図書
『カール教授のビジネス集中講義 経営戦略』
平野敦士カール 朝日新聞出版 1620円
もっとフレームワークや経営戦略について知りたいという人は、カール教授の著書『カール教授のビジネス集中講義 経営戦略』(朝日新聞出版)がおすすめ。経営戦略の基本から最新トレンドまでが、わかりやすく解説されています。
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