回転寿司と調剤薬局

会社から車で少し行ったところにあった大手チェーンの回転寿司店が閉店していました。

外からお客さんの入りが一目でわかる店舗でしたので、特に最近は「今日もお客さん少ないなぁ」と思っていたのですが…

私が学生の頃、外食と言えば、安さが魅力でよく行っていた「食べ放題」の焼き肉店などと並んで、回転寿司店が選択肢にありました。

それからあれよあれよという間に、幹線道路を少し車で走れば、日本全国どこでも回転寿司店の大きな看板がみられるくらいに増加した感があります。

回転寿司店の市場規模は4000億円程度だそうで、調剤薬局の6兆円と比べると小さな市場ですが、飽和感が出てきたそうです。

それに加えて、私のように「安さ」を魅力と感じて食べに行っていた人を相手にするだけでは、難しくなっているそうです。

「いつも」のサービスを想像し食べに行くのですが、一歩店内に入ると、前回とは違う「何か」を期待してしまうのは、私だけでしょうか?

ニーズが変化しているといえばそれまでなのかもしれませんが、顧客は安さの次には「美味しさ」や「店内の雰囲気」、「メニューの豊富さ」と、次から次へと期待をしてしまいます。

結果として、会社の舵取りは格段に難しくなり、ファンド傘下入りや統合が行われ、回転寿司業界の再編が進むと言われているそうです。

そこで、何を改革して客足を取り戻すか、ということになりますが、業界では「美味しいネタをどう提供するか」そんな当たり前のところに行きついているそうです。

悩んだら原点回帰。
お客さまが求めるモノ・コトを再度考えた結果なのだと思います。

私たち薬局業界にも似た構造があるのではないでしょうか。
調剤薬局は増えると同時に、患者様のニーズはかつてよりずっと多様化しています。
置かれた環境がそれぞれの店舗で大きく異なり、画一的なサービスは提供し難い調剤薬局。そのニーズをつかむのは、さらに難しいのかもしれません。

しかし、患者様が求めるモノ・コトを提供する点では回転寿司店と共通していると思います。

そのための薬局長の役割は大きく、薬局長次第でその薬局が大きく変わると言っても過言ではないと思います。

「患者様が求めているモノ・コトは何なのか――」。

原点回帰し、それを提供し続けることで、どのような環境下でも必要とされる薬局になるのではないかと思います。